箱根駅伝の区間ごとの特徴や見どころは?駅伝ランナーのドラマを見逃すな!!

「箱根駅伝ってコースの起伏が激しい区間しか見てないんだけど、他の区間の見どころや特徴ってあるの?」

私もそう思ってました。

平坦な区間って、抜きつ抜かれつのレースを見るだけになっちゃったりして…。

そして、箱根駅伝はそれぞれ20km前後を平等な距離だけ割り振られているのかと思っていましたが…そうではないようです。

それぞれの区間ごとの特徴と見どころをチェックしてみましょう!

テレビを見ながら、

「ああ、ここのことなんだ」

と箱根駅伝が10倍楽しめること請け合いです!

箱根駅伝の競走路とコース

総距離は、なんと217.1km!

調べてみたところ、往路と復路の距離が微妙に違うんですね。

いわゆる江戸時代の東海道沿い(国道1号線)沿いをメインに使用するレースになります。

往路(107.5km)

大手町 読売新聞社前 -日比谷 -西新橋 -三田 -品川 -六郷橋 -鶴見 -横浜駅 -保土ヶ谷 -戸塚 -藤沢 -平塚 -大磯 -二宮 -小田原 -元箱根 -箱根町 芦ノ湖駐車場入口

復路(109.6km)

箱根町 芦ノ湖駐車場入口 -元箱根 -小田原 -二宮 -大磯 -平塚 -藤沢 -戸塚 -保土ヶ谷 -横浜駅 -鶴見 -六郷橋 -品川 -三田 -西新橋 -日本橋 -大手町 読売新聞社前

国道1号線は、片側二車線の大きい道路になります。

この道路沿いに住んでいる人は、毎年箱根駅伝が応援できてラッキーと言えますね!

この起伏の富んだそれぞれの区間に、どの選手を配置するかが各大学の監督の腕の見せ所だと言えます。

全てのコースに速い選手を投入できれば良いのですが、なかなかそう言うわけにもいきません。

平坦なコースが速い選手、坂道が強い選手とそれぞれ得意な分野が違うからです。

ではそれぞれの区間の特徴を見ていきましょう。

往路第1区の特徴(21.3km)大手町 読売新聞社前~鶴見区間

まず読売新聞社前からのスタートです。

このスタート時点で出遅れてしまうと、後々のレースで取り返すことが難しくなります。

基本的にはこの区間では、団子状の選手集団がタスキを繋ぐまで続いていく事になります。

大体、17キロ地点の六郷橋付近で頭一つ抜けてくる選手が出てくるので、それまでは虎視眈々とチャンスを狙っている選手達の様子を楽しみましょう。

この区間記録は、東海大学の佐藤選手で2007年に1時間1分6秒で走りきっています。

大学での優勝争い以外にも、区間賞が出るかどうかも箱根駅伝の楽しみでもありますね。

往路第2区の特徴(23.1km)鶴見~戸塚区間

第2区は1区よりも2キロほど走る距離が長く、いわゆる「花の二区」と言われる区間です。

13キロ地点には、権太坂と言われる心臓破りの坂が待ち受けています。

またラスト3キロに、大小連続する戸塚の壁という坂道もあります。

選手自身がこの区間をどのように走るか、知力・体力・精神力が求められる区間です。

またこの区間では駅伝の醍醐味であるごぼう抜きが見られる区間でもあります。

今までのごぼう抜きの記録では17人が最多となっています。

20人のうち17人をごぼう抜きするなんて…1区での遅れを取り戻せることもあるのですね。

2区では、山梨学院大のモグスが2009年に1時間6分4秒の区間記録を出しています。

往路第3区の特徴(21.4km)戸塚~平塚区間

この区間では街から海へ出ていき、雄大な風景が見られる区間です。

海風も強く、最も気温差のある区間となります。

前半10キロは海への下りが続き、海岸の沿いの国道134号線に出ていきます。

選手から見て左手に相模湾、正面に富士山を望む絶景が広がります。

天気によっては、防風林の隙間から入ってくる海風に悩まされる区間でもあります。

繋ぎの区間として新人を投入する区間でもありますが、最近では、より積極的に力のある選手を投入する大学も出てきています。

区間記録はこちらも、山梨学院大のコスマスで2012年に1時間1分38秒の記録を出しています。

往路第4区の特徴(18.5km)平塚~小田原区間

この第4区は、他の区間よりも3キロほど距離が短く設定されています。

あえて短い距離を設定しているのは中長距離の選手育成のためということです。

第82回大会から距離が短縮されました。

特徴は15キロ付近の酒匂橋です。

この区間は細かなアップダウンのみで比較的平坦で走りやすいコースです。

逆に、スピードのある選手がどのくらい速く走れるかが勝負と言えます。

ただ、やはりペース配分が鍵。

ここで無理をしてスピードを出し過ぎてしまうと、後半に倒れてしまったり、ペースダウンしてしまうリスクも併せも売っています。

往路第5区の特徴(23.2km)小田原~箱根町 芦ノ湖駐車場入口区間

82回大会から第4区が短縮され、逆にこの最後の山登りの国が最長区間となりました。

なんとスタートからゴールまでの標高差が864メートルもあるということを知っていましたか?

最後の4.5キロは上りではなく逆に下りがあるという全コースの中でも最難関のコースです。

観光地として有名な箱根ですが、突風や雪、凍結した路面など厳しい自然条件が選手たちを待ち受けています。

選手たちは、脱水症状に苦しんで止まってしまったり、過去には風速21メートルを超える暴風にさらされて低体温症や脱水症で無念の途中棄権をしてしまうこともありました。

しかも、2019年の今回はコースが変更されバイパスを通っていくため、今までの大会記録は参考記録扱いとなってしまいました。

2012年の柏原竜二の「山の神」の記録は、皆さんも記憶に新しいと思いますが、残念ながら参考記録になってしまいました。

このことにより、今年一番早くこの期間を走った選手は区間賞を認定されることになります。

区間賞はだいたい1時間から1時間10分前後でゴールしているため、往路の全体の時間はだいたい5時間から6時間ぐらいを見ておくと良いでしょう。

復路第6区の特徴(20.8km)箱根町 芦ノ湖駐車場入口~小田原区間

山登りの5区から一転して今度は840メートルの山下りのコースとなります。

下りのスピードはなんと100メートル14秒台という短距離選手に近いような速さでどんどん下っていきます。

実は登りよりも下りの方が選手への足の負担は大きいです。

もし記録を狙う場合は下り三キロは勝負どころとなります。

また、スタート地点では昨日の記録からトップから時間をあけて走り出します。

往路で10分以上の遅れを取ると芦ノ湖で一斉にタイムが繰り上げられるため、順位の把握がとても難しくなります。

テレビに表示されている順位表を頼りに応援していきましょう。

復路の6区も5区と同じように前回までの大会記録は参考記録となります。

復路第7区の特徴(21.3km)小田原~平塚区間

このコースは朝走るため、10区間の中で気温の変化が激しいと言われています。

スタートは小田原で山おろしの風が吹いていき、海沿いでは海風に変わります。

大体スタート時刻が9時、到着が10時頃のため、晴れていれば気温の変化が激しく、選手にとってはかなりの暑さの中走ることになります。

区間記録は東洋大の設楽で2012年に1時間2分32秒の記録を出しています。

復路第8区の特徴(21.4km)平塚~戸塚区間

レースも徐々に終盤となり、優勝争いからシード権争いの行方が気になってくる区間です。

箱根駅伝では10位以内に入ればシード権を獲得できますが、11位以下になってしまうとまた予選大会からのスタートになってしまうからです。

こちらのコースは往路と同じく大きな起伏はありませんが、残り6キロ地点二遊行寺坂の登りが鍵となります。

晴れている時には後頭部に日差しがきついため、脱水症状を引き起こすこともあるのです。

区間記録は山梨学院大の古田で1997年に1時間4分5秒の記録を出しています。

復路第9区の特徴(23.1km)戸塚~鶴見区間

花の二区の逆のコースですが、復路の最長区間がこの9区です。

選手たちの中でもエース級の選手が配される区間でもあります。

スタート直後3キロの下りと、7キロ付近の権田坂が勝負を分けていきます。

初めのうちに、アップダウンが連続するためオーバーペースで走るのか、また後半にスピードが出るよう力を貯めるのか、判断力が求められます。

8区に引き続き優勝を争いとシード権争いのデッドヒートが繰り広げられる区間です。

タスキをつなぐ鶴見中継所では、毎年タスキを繋いだ後に倒れ込む選手が続出します。

また繰り上げスタートになるかならないか、ヤキモキする選手が多く見られるのもこの区間ならではです。

なんと60回大会では最多の18校が繰り上げスタートをしてしまいました。

復路の中でも一番ドラマチックな区間と言えるでしょう。

区間記録は、中央学院大の篠藤で2008年に1時間8分1秒の記録を出しています。

復路第10区の特徴(23.0km) 鶴見~日本橋~大手町 読売新聞社前区間

いよいよ最終巻の第10区です。

九人の汗が染み込んだタスキをつなぐ最終ランナーはどのような思いでこの区間を走っているのでしょうか。

かなり遅い時間になるため気温がかなり上昇しており、選手にとっては走りやすい条件とは言えません。

この区間では多くの観客がが沿道に応援に駆けつけています。

平坦な区間ではありますがビル風の突風に悩まされる区間です。

区間記録は順天堂大学の松瀬で2007年に1時間8分59秒の記録を出しています。

まとめ

こたつに入りながらなんとなくテレビをつけて見てしまう箱根駅伝ですが、各コースの特徴を知ると

「1区の六郷橋が見どころ」

「2区の権太坂はどうなっているんだろう」

「復路の繰り上げスタートは何校なのか」

「9区ではどのくらい繰り上げスタートになってしまうのか」

など特徴が本当に沢山あることが分かります。

それぞれの箱根駅伝の区間の特徴をよく知り、選手がどのような配属をされているのかなど思いを馳せながら見てみると普段より楽しめるのではないでしょうか。

また、沿道での観客のパフォーマンスやコスプレもこの箱根駅伝の特徴ですね。

個人的には、自転車で沿道を追いかける若者がランナーに追いつけずに挫折するのを見るのが楽しみです。

自転車でも追いつけない速さの駅伝ランナーってすごくないですか!?

特に、テレビ放映される時間の長い中継所では様々なコスプレをした観客が沿道の応援が見られるかもしれません。

そちらもチェックしてみてください。

では、楽しいランニングライフを!